垂直尾翼にある静圧ポートの役割は?
スターアライアンス塗装のANAボーイング777は、羽田空港第2ターミナルで撮影されました。
垂直尾翼をよく観察すると、
前縁部に白い小さな円が2つあるのが見えます。
そこで写真を拡大してみると、 あまり鮮明ではありませんが、円の左側に「Static Port」という文字が読み取れます。
ここが静圧口、つまり静圧センサーであることを示しています。
一般的に航空機の胴体前部にはいくつかの静圧口があり、 ピトー管と組み合わせることで高度や速度などの重要な飛行指標を測定できることはご存じでしょう。 では、なぜ垂直尾翼に取り付けられたこれらの静圧口は何の役割を果たしているのでしょうか?
これらの静圧口は「Gust Suppression port(突風抑制ポート)」とも呼ばれています。
「Gust」は日本語で突風(阵风)と訳され、強度の高い風の乱れを指します。 航空機が突風に遭遇すると、風が航空機の構造や空力面に追加の力とモーメントを生じさせ、 乗客の快適性を損なうだけでなく、パイロットの操縦負担を増大させ、航空安全に影響を及ぼします。
ボーイング777には「偏航突風抑制システム – Yaw Gust Suppression」が採用されています。 写真にある垂直尾翼の両側にある4つの静圧口、つまり偏航突風抑制ポートを通じて、 水平方向の突風を測定し、方向舵の偏転を自動制御することで、垂直尾翼にかかる荷重を軽減します。
この荷重軽減技術により、航空機が突風に遭遇した際にも、 客室乗務員は機体の安定性を保ちながら通路内での客室サービスを中断せずに続けることができ、その効果は抜群だそうです。
さらに、ボーイングの新型機である787には、より高度な垂直突風抑制システムが装備されています。 乱気流を感知して翼の操縦翼面に制御指令を送り、乱気流に対処することで、飛行の安定性を大幅に向上させています。