完璧な着陸/天才的なパイロットとはどのような存在か?--最近の読書メモ201410
また古書店でなかなか良い本を見つけました。
これは日本航空(JAL)のベテラン機長、「田口美貴夫」氏によって書かれた自伝的な航空解説書です。
田口機長はこれまでに天皇・皇后両陛下の東南アジア訪問、海部首相の欧州訪問、皇太子殿下の欧州訪問など、政府要人のフライト任務を数多く務めており、非常に優秀なパイロットであることがうかがえます。この本では、航空知識や自身の飛行経験、そして成功と失敗の事例が紹介されています。例えば、旅客機が誤って積乱雲やレンズ雲に入ってしまった際の解説などは、非常に参考になります。
個人的にこの本で最も気に入っているのが、以下の2つのエピソードです。
一つは、彼自身が操縦した中で最も満足した着陸についての話です。それは皇太子殿外遊の際のフライトで、天候も良く、フライト時間は計画と完全に一致し、着陸時のすべての操作も完璧で、着地は非常に柔らかかったそうです。降下の角度、フレアのタイミング、着地点はすべて事前の想像と完全に一致し、滑走路からの退出、誘導路への進入、エプロンへの到着まで、時間は秒単位で正確でした。当時、副操縦士を務めていたのも非常に優秀で経験豊富な機長でしたが、その機長は田口の着陸を見て、これほど完璧な着陸が世にあるものかと驚愕したそうです。田口機長自身もどうしてそのようになったのか理解できず、後のフライト任務では二度とあのような素晴らしい着陸を再現することはできなかったとのことです。
もう一つは、JALのある天才パイロットの操縦についての紹介です。そのパイロットは田口の先輩で、病気で数ヶ月休職していた後、復職フライトの際にちょうど田口が試験官を務めることになりました。田目の観察によると、そのパイロットの操縦は最初から最後まで極めて完璧で、無駄な動きは一切なく、各操作が航空機の姿勢に与える影響を事前に極めて正確に予測できていました。まるで囲碁の棋士が今後の様々な局面の変化を分析できるかのようなものです。姿勢制御だけでなく、オートパイロットの切り替えや航法装置の周波数変更なども、そのタイミングの把握は完璧(非の打ち所がない)で、田口は大きな差距を感じさせられました。この世にこれほどの達人がいたのかと知り、読んでいる私も羡慕やるかたありません。
Amazonで見ると、田口氏には他にもいくつかの本があるようなので、後ほど買って読んでみるつもりです。
