軽量機における燃料混合比 Mixture Control の使い方について
地上の空気は高度が上がるにつれて薄くなるため、エンジンに吸入される空気量も減少します。
一方で、エンジンに送り込まれる燃料の量が変わらない場合、燃料混合気が濃くなりすぎ、燃料を無駄にするだけでなく、エンジンの出力も低下してしまいます。
そこで生まれたのがMixture Controlバルブです。これは空気と燃料の比率を制御し、パイロットがエンジンをより自在にコントロールできるようにします。
この魔法のような制御弁が、下図の赤い矢印が指す赤いバルブです(X-Plane 10のCessna 172SP)。

このバルブを前に押し込むと、エンジンに送られる燃料が増えます。これをRICH(リッチ)と呼びます。 一番奥まで押し込んだ状態は、通常、海面高度での飛行時に適切な量に設定されています。 バルブを後ろに引くと、燃料の供給量が減ります。これをLEAN(リーン)と呼びます。一番後ろまで引っ張ると燃料供給が完全に停止するため、エンジンも停止します。
また、エンジンに送り込まれる燃料混合気の量を制御するバルブは、上図の青い矢印が指すThrottle(スロットル)、いわゆるアクセルです。
以下、Mixture Controlの使い方について簡単に説明します。
一般的に2000~3000フィート以上になると、空気の薄さがエンジンに影響を与え始めるため、この高度に到達したらMixtureを少し後ろに引いて、 Lean(リーン)にすることで燃料流量を制限します。
しかし、より簡単な方法は、Mixture Controlをゆっくりと後ろに引いていきます。燃料供給が減ると、 エンジン回転計Tachometer(上図の黄色い円の箇所)のRPM指示値がゆっくりと上昇し始めます。 しかし、ある値を超えると、供給される燃料量が少なすぎる状態になり、回転計の針が下がり始めます。 したがって、RPM値が最大になる位置のMixture Controlの量が、最も効率の良い設定値となります。 ここで注意点ですが、通常はエンジンの過熱を防ぐために、RPM最大値の設定よりも少し多めに燃料を供給する、 つまり、少しRICH(リッチ)な状態に設定するのが一般的です。
エンジンが過熱すると、以下のようなOIL TEMP(油温)の警報メッセージが表示されます。

もちろん、飛行中は常に下のEGT Gauge(Exhaust Gas Temperature Gauge、排気温度計)をスキャンする必要があります。
左側の針がEGT(排気温度)を示しています。もし高すぎる(針が上、目盛が下の位置)場合は、Mixture Controlを操作して燃料を増やし(Richにする)必要があります。
また、右側の針は燃料流量を示しており、航空機のパフォーマンスマニュアルを参照して、各高度における流量値を確認することができます。
もう一つ注意すべき点は、上空で調整したMixtureは、地上の低高度ではLean(リーン)状態になってしまうということです。 そのため、降下や着陸時にRich(リッチ)に戻すことを忘れないでください。特に、着陸時の復飛Go AroundやMissed Approachの際には重要です。
また、標高の高い空港から離陸する際は、空気が薄いため、事前にMixtureを調整(Leanにする)ことを忘れないでください。
以上